【アーカイブ】一般企業の健康づくりに作業療法の観点を生かす

産業リハビリテーション
  • 元廣惇 先生 / 藤井寛幸 先生 / 白土大成 先生 / 荒川長巳 先生
  • 通常価格
    プレミアム会員
    4,400円 (税込)
    無料
  • ※アーカイブあり
プログラム

【講習会概要】

  皆様は「健康経営」という言葉を耳にされたことがありますでしょうか?健康経営とは従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上等につながると期待されます。経済産業省はこの健康経営に取り組む条件を満たした企業を「健康経営優良企業」として認証し、様々なインセンティブ制度を設定しています。これら健康経営サービスの市場規模も2020年の約7700億円から今後2025年には約1兆2000億円に拡大するとされています(経済産業省資料参照)。

 私たちは「くらす」ことと「はたらく」ことの専門家として、この市場に作業療法の観点を生かしたモデルを構築する必要性を感じ、2021年3月に株式会社を創業し、島根県(島根ヘルスケアビジネス事業化補助金事業等)、及び松江市(MIXPoC認証)をはじめとした「産・官・学・金」の協業体制を構築し、事業を進めています。顧客企業はこの2年余りで50社近くにまで拡がり、製造業・IT企業・保育業・建設業・クリニックなど多くの企業で作業療法の理論や観点を応用した健康経営コンサルティングを提供しています。その内容などを評価いただき全国法人会の「健康経営大賞2022最優秀賞」を受賞するに至り、フランチャイズで全国に事業が拡大している真っ只中と言えます。この事業で私たちは労働生産性低下や休職・退職につながる「職業病」の分析と解消を行い、その文化を地域や関連業界に根付かせ、将来的には全国の療法士と共に国内外にこの領域が「当たり前の存在」になることを目指しています。

 本講習会では健康経営事業の開発・実装プロセスや、基礎理論、サービスフロー、企業での実践事例などを概説し、またその背景にある世界の産業研究の動向、組織開発に携わる産業医などの実践者を交えた体系的なプログラムを提供します。


【講習会目標】

 作業療法の観点を生かした企業の健康づくりの分野は産声を上げたばかりで、作業療法の既存領域と比較して実践・研究等の全ての側面で開発・検証のフェーズにあります。だからこそ、このタイミングで皆様に作業療法士の職業特性が企業でどのように発揮されるのか、そのプロセスをお示しすることは、今後この領域が発展する上で非常に価値があると考えています。

 皆様にこの一連の講演・対談をお聞き頂き、知識をインプットし、実務に活かしていただくことはもちろんですが「自分だったらこういう形で企業に関わることができるかもしれない」といったように当事者意識を持って考えていただくことで、将来的に各専門領域等とのコラボレーションや共同開発等の領域横断的な「共創」に発展することを心から願っています。


【講座内容】

■第1講座

企業の健康づくりに作業療法の観点を生かす  

講師:元廣 惇 先生

<学習目標>

企業での健康づくりに作業療法の観点が寄与できる可能性を理解する

<学習内容>

①「職業病」と「健康経営」とは?

②サービスフロー前半:労働生産損失を可視化し企業の業績向上を図る。

③サービスフロー後半:職業病の根幹原因に立ち向かう企業文化を創出する。

④企業での健康づくりの新たな実践を研究と連動し、より広く社会実装を目指す。

⑤「地域共創型ヘルスケアベンチャー」として産・官・学・金・報連携を構築する。


■第2講座

企業での介入事例

講師:藤井寛幸 先生

<学習目標>

企業での作業療法の観点を生かした健康づくりの実践について理解する

<学習内容>

①Case1:建設業での実例

②Case2:保育業での実例

③Case3:オフィスワーカーでの実例

④その他の企業実例(製造業・左官業・林業など)

 

■第3講座

企業での健康づくりに関する研究

講師:白土大成 先生

<学習目標>

エビデンスの基礎知識を理解するとともに、研究に対する立ち位置を確認する

<学習内容>

①健康づくりに関する研究を読み解くための基礎知識

②健康づくりの実践を行う上で押さえておきたいエビデンス

③World Physiotherapy Congress 2023における産業保健領域の演題紹介

④産業領域での実践は、研究成果の消費者だけでなく再生産者としての役割を担っている


■第4講座

企業における作業療法の可能性を開くには

講師:荒川長巳 先生

<学習目標>

産業保健領域の現状と課題について、産業医の目線と業務の実際を知る。

また、医療分野からは見えない産業現場の状況を産業領域の作業療法士を交えディスカッションを通じて理解する。

<学習内容>

①産業保健領域(メンタルヘルスの現場)からみた産業衛生領域

②「組織の病」と組織開発の重要性

③ディスカッション(荒川・元廣・藤井):医療の世界からは見えない産業現場の現実

講座リスト

  • 企業の健康づくりに作業療法の観点を生かす

    元廣惇 先生
  • 企業での介入事例

    藤井寛幸 先生
  • 企業での健康づくりに関する研究

    白土大成 先生
  • 企業における作業療法の可能性を開くには:対談

    荒川長巳 先生

講師紹介

  • 元廣惇 先生

    作業療法士
    所属:株式会社Canvas 代表取締役
    島根大学地域包括ケア教育研究センター客員研究員 
  • 藤井寛幸 先生

    作業療法士
    株式会社Canvas 代表取締役
  • 白土大成 先生

    理学療法士
    鹿児島大学 医学部 保健学科 助教
  • 荒川長巳 先生

    医師
    島根大学 教育・学生支援機構 保健管理センター
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