【アーカイブ】作業に焦点を当てた精神科作業療法

精神疾患
  • 南庄一郎 先生 / 青山克実 先生 / 木納潤一 先生 / 今元佑輔 先生 / 清家庸佑 先生
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プログラム

2018 年,日本作業療法士協会は,作業療法の定義を「作業療法は人々の健康と幸福を促進するために,医療,保健,福祉,教育,職業などの領域で行われる,作業に焦点を当てた治療,指導,援助である.作業とは,対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す」と改定しました.この定義の改定以降,対象者の作業(個別的な意味のある生活行為)に焦点を当てた作業療法の重要性が広く叫ばれるようになり,対象者の健康と幸福に寄与する作業療法の実践が求められています.一方,精神科作業療法において,作業に焦点を当てた精神科作業療法の実践はまだまだ不十分です.


このような現状を踏まえて,本講習会では,対象者の作業に焦点を当てた精神科作業療法の実践を可能にする一つの方法として「作業療法の理論とモデル」に着目しました.皆さんの中には「理論とモデル」と聞くと「難しそう」「役に立つの?」とお感じになる方がいらっしゃるかもしれません.しかし,作業療法の理論とモデルは,対象者により良い作業療法を提供する上で非常に役立つ考え方と介入の糸口を示してくれます.


本講習会では,作業療法の代表的な理論とモデルである,人間作業モデル(MOHO),作業遂行と結びつきのカナダモデル(CMOP-E),作業療法介入プロセスモデル(OTIPM),作業に根差した実践 2.0(OBP2.0),生活行為向上マネジメント(MTDLP)を取り上げ,各モデルの概要をお伝えし,精神科作業療法への適応を考えていきたいと思います.皆さんのご参加を心からお待ちしています.


【講座内容】

◾️第 1 講座

「作業に焦点を当てた精神科作業療法(総論)」

講師:南 庄一郎 先生(大阪府立病院機構 大阪精神医療センター)

座長:木納 潤一 先生(医療法人鴻池会 秋津鴻池病院)


<学習内容>

近年の精神科医療の動向と精神科作業療法,作業に焦点を当てた精神科作業療法の概要など


<到達目標>

近年の精神科医療の動向を踏まえた上で,現在求められている作業に焦点を当てた精神科作業療法の概要を理解できる.


◾️第 2 講座

「人間作業モデル(MOHO)を用いた精神科作業療法」

講師:青山 克実 先生(九州栄養福祉大学)

座長:南 庄一郎 先生(大阪府立病院機構 大阪精神医療センター)


<学習内容>

MOHO の概説,MOHO を精神科作業療法で用いる意義,事例検討など


<到達目標>

精神科作業療法に MOHO がどのように活用できるか理解できる.

意味のある作業の実現に向けた精神科作業療法を実践する上で MOHO の有用性を理解できる.


◾️第 3 講座

「作業遂行と結びつきのカナダモデル(CMOP-E)を用いた精神科作業療法」

講師:木納 潤一 先生(医療法人鴻池会 秋津鴻池病院)

座長:青山 克実 先生(九州栄養福祉大学)


<学習内容>

CMOP-E の概説,CMOP-E を精神科作業療法で用いる意義,事例検討など


<到達目標>

CMOP-E が精神科作業療法においても,重要かつ実践的な理論であることを理解することができる.

精神科作業療法において,CMOP-E をもとに,対象者を知り,対象者の作業を支援する過程を理解することができる.


◾️第 4 講座

「生活行為向上マネジメント(MTDLP)を用いた精神科作業療法」

講師:南 庄一郎 先生(大阪府立病院機構 大阪精神医療センター)

座長:今元 佑輔 先生(県立広島大学)


<学習内容>

MTDLP の概説,MTDLP を精神科作業療法で用いる意義,事例検討.全体の振り返りなど


<到達目標>

精神科作業療法で MTDLP を活用する意義を理解するとともに,これまでの学習を通して今後どのような臨床実践が出来るか考えることができる.


◾️第 5 講座

「作業療法介入プロセスモデル(OTIPM)を用いた精神科作業療法」

講師:今元 佑輔 先生(県立広島大学)

座長:清家 庸佑 先生(東京工科大学)


<学習内容>

OTIPM の概説,OTIPM を精神科作業療法で用いる意義,事例検討など


<到達目標>

OTIPM が精神科作業療法においても,重要かつ実践的な介入モデルであることを理解することができる.

精神科作業療法において,OTIPM をもとにクライエントの作業の可能化をサポートする過程を理解し,実践する準備ができる.


◾️第 6 講座

「作業に根差した実践 2.0(OBP2.0)を用いた精神科作業療法」

講師:清家 庸佑 先生(東京工科大学)

座長:南 庄一郎 先生(大阪府立病院機構 大阪精神医療センター)


<学習内容>

OBP2.0 の概説,OBP2.0 を精神科作業療法で用いる意義,事例検討など


<到達目標>

まず,OBP2.0 と作業機能障害について理解できる.

OBP2.0 と CAOD(作業機能障害の種類と評価)を活かした精神科作業療法について理解できる.


講座リスト

  • 作業に焦点を当てた精神科作業療法 (総論)

    南庄一郎 先生
  • 人間作業モデル(MOHO)を用いた精神科作業療法

    青山克実 先生
  • 作業遂行と結びつきのカナダモデル CMOP-E を用いた精神科作業療法

    木納潤一 先生
  • 生活行為向上マネジメント(MTDLP)を用いた精神科作業療法

    南庄一郎 先生
  • 作業療法介入プロセスモデル(OTIPM)を用いた精神科作業療法

    今元佑輔 先生
  • 作業に根差した実践2.0(OBP2.0)を用いた精神科作業療法

    清家庸佑 先生

講師紹介

  • 南庄一郎 先生

    作業療法士
    大阪府立病院機構 大阪精神医療センター リハビリテーション室
  • 青山克実 先生

    作業療法士
    九州栄養福祉大学 リハビリテーション学部 作業療法学科
  • 木納潤一 先生

    作業療法士
    医療法人鴻池会 秋津鴻池病院 リハビリテーション部 係長
    奈良県立医科大学 精神医学講座 非常勤講師
    一般社団法人 奈良県作業療法士会 理事
    奈良県ソーシャルフットボール協会 会長
  • 今元佑輔 先生

    作業療法士
    県立広島大学 保健福祉学部 保健福祉学科 作業療法学コース 助教
  • 清家庸佑 先生

    作業療法士
    東京工科大学 医療保健学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 助教
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