【アーカイブ】脳卒中後の姿勢定位障害に対するリハビリテーション
-
塩崎智之 先生 / 植田耕造 先生 / 藤野雄次 先生 / 中村潤二 先生 / 深田和浩 先生 / 辻本直秀 先生
-
通常価格
プレミアム会員3,000円 (税込)無料
【講習会概要】
本講習会では、姿勢定位障害(Pusher現象、lateropulsion)に関する研究成果を国内外で発表している講師陣により、姿勢定位障害の病態や評価、治療の意思決定、臨床実践に関して全6回にわたり概説する。
【講座内容】
第1講座:姿勢定位障害とその関連機構
講師:塩崎 智之 先生
<学習内容>
姿勢定位は体節間同士、および身体と環境との関係を適切に維持する能力とされる。本講義ではlateropulsionやpusher現象といった姿勢定位障害に関連するとされる垂直認知(Subjective visual verticalやsubjective postural vertical)と前庭脊髄路などに関して解説する。
<学習目標>
1.姿勢定位と姿勢定位障害を理解する
2.姿勢定位障害に関わる垂直認知や前庭脊髄路を理解する
第2講座:Lateropulsionの評価と治療
講師:植田 耕造 先生
<学習内容>
Lateropulsionは見逃されやすい症状であるが、「何かふらつく」と訴える症例は存在し、適切に評価し治療を考えることは重要である。本講義では、これまで報告されているlateropulsionに関する病態や評価を中心に解説し、治療に関しても一部紹介する。
<学習目標>
1.Lateropulsionの病態、評価、治療を理解する
第3講座:Pusher現象の病態と疫学
講師:藤野 雄次 先生
<学習内容>
Pusher現象の生起には、空間における垂直判断の歪みが主たる要因とされる。垂直性の障害はpusher現象と関連することは明らかであるものの、研究ごとにその特性は異なり、いまだコンセンサスは得られていない。本講義では、これまでのPusher現象の病態に関する報告をレビューするとともに、半側空間無視を代表とする周辺症状との関連およびPusher現象の回復過程について解説する。
<学習目標>
1.Pusher現象の生起機序を理解する
2.Pusher現象の出現率や回復過程を理解する
第4講座:Pusher現象における脳画像所見と臨床評価
講師:中村 潤二 先生
<学習内容>
Pusher現象の病態には垂直性の異常が関連することが報告されているものの、未だに明らかではない。Pusher現象に関連する脳損傷領域の特徴に関しては様々な報告があり、その特徴が明らかになりつつある。またPusher現象の治療を進めるにあたっては、その現象や関連する障害を多面的かつ定量的に評価していく必要があり、各評価法を理解することが重要である。本講義では、先行研究をレビューし、Pusher現象に関わる脳損傷領域の特徴や関連する臨床的評価について解説する。
<学習目標>
1.Pusher現象に関わる脳損傷領域の特徴を理解する
2.Pusher現象の臨床的評価について理解する
第5講座:Pusher現象の垂直認知の異常と垂直モダリティーに配慮した治療展開
講師:深田 和浩 先生
<学習内容>
Pusher現象は、自己の身体を誤った方向へ認知することが示されているが、いまだ一定の見解は得られていない。一方、Pusher現象の治療では、残存している垂直モダリティーの活用や偏倚した垂直モダリティーの修正を目的とした治療展開も試みられており、Pusher現象の垂直性の異常を理解し、臨床に生かすことは重要と考えられる。本講義では,Pusher現象の垂直認知の異常と垂直モダリティーに配慮した治療展開について解説する。
<学習目標>
1.Pusher現象の垂直認知の異常について理解する
2.Pusher現象の垂直モダリティーに配慮した治療の意義を理解する
第6講座:Pusher症例の臨床実践
講師:辻本 直秀 先生
<学習内容>
近年、pusher現象に対する様々な治療方法の研究報告が散見されるようになった。しかしながら、それらの治療を臨床で実践する際には、各症例において評価から病態を解釈したうえで治療方法を選択する必要がある。本講義ではpusher症例を担当した際の臨床思考について解説する。
<学習目標>
1.Pusher症例に対するリハビリテーション医療の臨床思考を理解する
講座リスト
-
姿勢定位障害とその関連機構
-
Lateropulsionの評価と治療
-
Pusher現象の病態と疫学
-
Pusher現象における脳画像所見と臨床評価
-
Pusher現象の垂直認知の異常と垂直モダリティーに配慮した治療展開
-
Pusher症例の臨床実践