先輩作業療法士が 伝える臨床実践ガイド 整形編 〜患者さんへのプログラムを作るための具体的な考え方を学ぶ〜
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竹林崇 先生 / 森口咲紀 先生 / 早﨑涼太 先生 / 前田正憲 先生 / 須藤淳 先生
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通常価格
プレミアム会員5,000円 (税込)無料
<講義内容>
作業療法の効果をより発揮するためには、事前情報の収集から始まり、適切な評価の選定と遂行、そして評価結果を解釈したうえで、眼前の対象者と意思決定を共有し、介入の選択を行う工程を経る必要がある。しかし、実際の臨床では対象者の多種多様な症状や重症度、種々の合併症などによって教科書通りの評価を画一的に遂行できないことが多い。そのため、評価の量的な側面のみならず、質的な解釈を行う必要があるほか、環境因子や個人因子といった文脈も踏まえて介入を組み立てる必要があるため、臨床思考過程は非常に複雑となる。このような介入を組み立てる以前の作業療法における臨床思考過程は、対象者の個別性が高いことを理由に経験則に頼らざるを得ない状況がある。しかし、個別性が高いといえども、日常生活動作や作業活動を評価する際には一定の観察眼が存在しているはずであり、その視点を持っていることで種々の疾患や症状から生じる多様な現象に対応する手がかりとなりうる。本研修では、様々な症状や現象に対応する際の先輩作業療法士のマインドセット(事象を捉える際の習慣的思考)に注目し、介入を提供する前段階の臨床思考過程を明示する。これにより、新人・若手療法士が個別性の高い対象者に対して、適切な作業療法を提供する一助となりうる。
<目的>
事例に対して、作業療法を提供するに至る前の先輩作業療法士の臨床思考過程を具体的に提示することにより、新人・若手療法士がより迅速かつ適切に対象者の環境やこれまでの生活・人生の文脈を踏まえたアセスメントと介入を提供する一助となる。
<講義ラインナップ>
【概論編】
第1講座:作業療法士の介入に至る以前の臨床思考過程
講師:竹林崇 先生
<学習内容>
作業療法に関わり20年以上が経った。20年以上働く中でも、初めての対象者の方の元に伺う際には、今でも緊張するものである。ただ、新人の頃と圧倒的に異なるのは、情報収集のコツを知っていること、予後予測の知識があること、そして、何よりも多くの対象者とご一緒し、教授いただいた経験があることである。元来、これらの経験は自らでトライアンドエラーをしながら獲得していくものであった。ただし、エラーをすることが自身の成長に繋がることはわかっているものの、そこに身を晒すのは、非常に胆力が必要なものでもある。今回、各領域で活躍する中堅療法士の方々に、実際に臨床に向かう際の上記の知識と彼らが培ってきた経験について、事例を通して、伝えていただく。 本章では、その各領域での作業療法士の介入に至る以前の臨床思考過程について解説する。
<到達目標>
皆様の経験値がより効率的に積み上がることを目的とする。
第2講座:目標設定の手順と解釈〜目標設定の方法と面接時の工夫点、介入に活かす視点について〜
講師:森口咲紀 先生
<学習内容>
目標設定の目的と意義
目標設定の手順と解釈(事例から考える)
<到達目標>
目標設定の目的と意義を理解する
目標設定の基本的な手順を知り、実践に活かすことができる
【整形編】
第3講座:橈骨遠位端骨折術後の事例
講師:早﨑涼太 先生
<学習内容>
①情報収集(画像所見を含む)とその解釈
②目標設定の方法
③機能訓練(自主訓練を含む)と ADL 指導
<到達目標>
橈骨遠位端骨折術後事例の作業療法に必要な情報を収集・解釈し,実践を行うことができる.
第4講座:認知機能低下を来した、大腿骨転子部骨折事例
講師:前田正憲 先生
<学習内容>
①大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドラインとリハビリテーション
②模擬事例を通した評価
③作業療法介入の1例
<到達目標>
認知症を来した大腿骨骨折事例に対する回復期リハビリテーションでの介入について疑似体験する
第5講座:術後から担当する頚椎症の事例
講師:須藤淳 先生
<学習内容>
学習内容―頚椎症の対象の方を担当した際のカルテの見方や、脳卒中とは違う疾患の評価項目をあげ、担当時にどこをみて、何を考えるのか、初回からの介入の組み立て方を学んでいく。
<到達目標>
カルテの見方(確認しておくべきカルテの項目がわかる、評価項目をしる、評価方法がわかるなど)
講座リスト
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作業療法士の介入に至る以前の臨床思考過程
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目標設定の手順と解釈〜目標設定の方法と面接時の工夫点、介入に活かす視点について〜
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橈骨遠位端骨折術後の事例
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認知機能低下を来した、大腿骨転子部骨折事例
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術後から担当する頚椎症の事例