【アーカイブ】病態理解に基づくパーキンソン病のリハビリテーション

神経系疾患
  • 菊地豊 先生 / 三上恭平 先生 / 白石眞 先生 / 奥埜博之 先生 / 青木良磨 先生
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プログラム

パーキンソン病の患者数は高齢化率とともに増加傾向であり、有病率は神経変性疾患の中でもアルツハイマー病についで2番目に多い。すなわちパーキンソン病は今後ますます、理学療法士や作業療法士の対象疾患として増加すると予測される。パーキンソン病のリハビリテーションは、薬物療法など他の治療と組み合わせて行なう事が不可欠であり、適切なリハビリテーションを提供するためには広範な神経変性に基づく複雑な病態を理解した上で、リハビリテーションの種類、治療目標、症状に応じたリハビリテーションプログラムの選択をすることが必要となる。本講座では、パーキンソン病の病態、広範な症状、治療、unmet clinical needsへの対応、実生活場面の管理や指導について、全6回に渡り説明する。



【講座内容】

■第1講座

パーキンソン病の病態理解とリハビリテーション

講師: 菊地 豊先生


<学習内容>

パーキンソン病の中核的病理所見は中脳黒質のドパミン神経細胞の変性であるが、その病理は黒質ドパミン神経細胞以外の広範な部位にも及ぶ多系統変性疾患である。本講座では広範な神経変性とその神経ネットワークの異常について解説し、パーキンソン病の四大徴候を中心に神経生理学的視点から解説を行う。



■第2講座

パーキンソン病の運動症状、非運動症状とリハビリテーション

講師: 三上 恭平先生


<学習内容>

パーキンソン病の中核症状は運動症状であり、多くが無動(もしくは動作緩慢)、振戦、筋強剛、姿勢反射障害の四大徴候で気づかれ診断される。しかしながら、パーキンソン病の症状には多彩な非運動症状もあり、広範な症状のスペクトラムを呈する疾患である。さらに運動症状と非運動症状が関連する症状もあり、全体的な解釈も必要となる。本講座では、パーキンソン病の運動症状と非運動症状を解説し、実地臨床で観察される様々な症状の解釈について説明する。



■第3講座

パーキンソン病の内科的治療、外科的治療とリハビリテーション

講師:白石 眞 先生


<学習内容>

パーキンソン病治療の主軸は薬物療法にとよる内科的治療であり、リハビリテーションを行なう際にも薬物療法の基礎知識が重要となる。また進行期以降のパーキンソン病患者の症状には、抗パーキンソン病薬投与に関連して惹起されるものや増悪する症状もあるため、出現している症状と薬物療法との関係性の理解も必要となる。外科的治療には、脳深部刺激療法(DBS)とレボドパ・カルビドパ経腸用液療法(LCIG)がある。このうちDBSは2000年に保険適応されてから、可逆性や調節性があることから、薬物療法で改善不十分な運動合併症(wearing offやジスキネジア)の改善を目的に数多く行われている。

一方、認知機能低下などの合併症の報告もあり、薬物療法と同様、リスクとベネフィットの関係を考慮したテーラーメイドの治療が必要となる。本講座では、パーキンソン病に対する内科的治療と外科的治療について解説し、リハビリテーションに期待することを医師の立場から示す。



■第4講座

パーキンソン病のunmet clinical needsとリハビリテーション:すくみ足

講師:奥埜 博之 先生

ライブ配信のみになりますのでご了承ください。

(アーカイブ動画の配信はございません)


<学習内容>

パーキンソン病には抗パーキンソン病薬に抵抗性で改善しにくい症状があり、それらの症状はunmet clinical needsと表現される。オン時に生じるすくみ足はその代表例であり、歩行開始や方向転換時、心理的に切迫しているときなど日常生活の様々な状況で生じるため、患者のQOLに大きな影響を与える。本講座では、パーキンソン病患者のすくみ足について臨床像と病態について解説し、臨床評価やリハビリテーションプログラムを提示する。



■第5講座

パーキンソン病のunmet clinical needsとリハビリテーション:姿勢異常

講師: 三上 恭平先生


<学習内容>

多くのパーキンソン病患者は、前屈前傾の特徴的な姿勢を示すが、その他にも極度の腰曲がりや斜め徴候などの特徴的な姿勢を呈する。これらの姿勢異常は患者のADLやQOLに影響するため治療のニーズが高いが、すくみ足と同様に抗パーキンソン病薬に抵抗性である。本講座では、パーキンソン病患者の姿勢異常の臨床像と病態について解説し、臨床評価やリハビリテーションプログラムを提示する。



■第6講座

パーキンソン病の生活環境とリハビリテーション

講師: 青木 良磨先生


<学習内容>

パーキンソン病患者の多くは在宅生活を送っており、実生活場面では診察時やリハビリテーション時には出現しない様々な問題が出現する。その背景には生活環境特有の問題が影響していることが多く、生活環境を含めた生活全体の構成を把握した上で、環境調整、教育、生活指導することが重要となる。本講座では、患者の実生活場面で出現する様々な現象とその背景にある病態を解説し、リハビリテーションスタッフとして対応すべき点について説明する。

講座リスト

  • パーキンソン病の病態理解とリハビリテーション

    菊地豊 先生
  • パーキンソン病の運動症状、非運動症状とリハビリテーション

    三上恭平 先生
  • パーキンソン病の内科的治療、外科的治療とリハビリテーション

    白石眞 先生
  • パーキンソン病のunmet clinical needsとリハビリテーション:すくみ足

    奥埜博之 先生
  • パーキンソン病のunmet clinical needsとリハビリテーション:姿勢異常

    三上恭平 先生
  • パーキンソン病の生活環境とリハビリテーション

    青木良磨 先生

講師紹介

  • 菊地豊 先生

    理学療法士
    公益財団法人 脳血管研究所附属美原記念病院
    パーキンソン病・運動障害センター センター長補佐
  • 三上恭平 先生

    理学療法士
    医療法人社団神天会
    登戸内科・脳神経クリニック リハビリテーション科 科長
  • 白石眞 先生

    医師
    聖マリアンナ医科大学
    脳神経内科 准教授
  • 奥埜博之 先生

    理学療法士
    摂南総合病院 リハビリテーション科 科長
  • 青木良磨 先生

    作業療法士
    医療法人社団神天会
    登戸内科・脳神経クリニック リハビリテーション科
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