【講習会概要】

　本講習会では実践での利用が望まれているが、まだ難しいとの声が多い人間作業モデルについて、実践者による利用方法や学び方を紹介する。人間作業モデルは、人が環境と交流し、作業を行うことをまとめた作業療法理論であり、作業から作業同一性、作業有能性を生み出し、作業適応に導くことを目標としているが、扱う範囲が非常に広いため、初学者に高い壁となり立ちはだかっている。しかし作業療法士が作業療法を行う基盤となるための理論であるため、実は理解しやすい。その実践での利用方法を学び、深い学びへと導く第一歩目の理解しやすい内容とする予定である。

【講習会目標】

　本講習会では、人間作業モデルの背景を理解した上で、人間作業モデルを利用した作業療法の評価、評価結果の解釈、目標への視点といった、人と作業の関係に注目した関わり方や、見方を中心に伝達し、最終的には、参加者が人間作業モデルの具体的なイメージを持つこと、人間作業モデルの学び方を知ることを目指します。

【講座内容】

■第1講座

人間作業モデル概要と研究動向について

講師：丁子雄希 先生

＜学習内容＞

人間作業モデルとは何か？といった基礎的な人間作業モデルの外観を説明し，

人間作業モデルの歴史的変遷や研究動向について説明する．

＜学習目標＞

人間作業モデルの概要や歴史を知る

■第2講座

人間作業モデルの実践①

講師：藤本一博 先生、梅津清司郎 先生

＜学習内容＞

人間作業モデルのサブシステムの変化に焦点を充てた事例を複数紹介し，

サブシステムの臨床的意義や，実践での使い方を理解していただく.

＜学習目標＞

人間作業モデルの実践を知る

■第3講座

人間作業モデルの実践②

講師：藤本一博 先生、梅津清司郎 先生

＜学習内容＞

人間作業モデルの波及効果を得られた事例を複数紹介し，全体像把握の意義や

システムのダイナミクスといった人間作業モデルの本質を理解していただく.

＜学習目標＞

人間作業モデルの実践を知る

■第4講座

人間作業モデルの学び方

講師：藤本一博 先生、梅津清司郎 先生、丁子雄希 先生

＜学習内容＞

人間作業モデルの学び方を３名の講師の体験談を交え紹介し,

難解な理論をどのように学んできたのか、コツを伝達する機会にしたい.

＜学習目標＞

人間作業モデルの学び方を知る