リハキャリ2024 講義の感想と解説(4)「小渕先生、永島先生、講義まとめ」
皆さんこんにちは。12月15日のリハキャリ2024のDay1は楽しんでいただけましたでしょうか?第一線で実践されている多くの先生方に病院勤務からのキャリアパスに関するお話をいただきました。
第4回は、病院内で介護予防事業に関わるための活動をされているJA長野厚生蓮長野松代総合病院の小渕先生による『行政事業参画時に活きる病院勤務経験』と、株式会社ジョシュの永島先生による『社会的事業起業時に活きる病院勤務の経験』について、感想をまとめていきたいと思います。では、いってみましょうッ!!
『行政事業参画時に活きる病院勤務経験』
JA長野厚生蓮長野松代総合病院の小渕先生
病院所属の療法士であっても、地域における総合事業に参画できる可能性があることを多くの療法士の方と共有したいという思いでこの講義の内容を作られたそうです。そもそも、病院にいながら、業務として、地域事業に参画できるなんて思いもよらなかったので、小渕先生のお話を伺い、そこから目から鱗でした。
医療機関に求められる行政事業について、回復期リハビリテーション病棟1, 2を有する施設については、地域の医師会等と連携し、地域支援事業に参加していることが望ましいと、令和6年度の診療報酬改定の中でも言われており、今後、多くの回復期リハビリテーション病棟にて、事業として取り組む必要性が出てくるのではないかと考えている。
地域リハビリテーション活動支援事業とは、地域における介護予防の取り組みを強化するために通所、訪問、地域ケア会議、サービス担当者会議、等を指し、これらに対して、回復期リハビリテーション病棟をもつ、病院が積極的に関わっていくことが求められているとのことでした。これらの事業についての詳細は講義の中で小渕先生が細かに解説してくださっていますので、講義の方をご覧ください。
さて、小渕先生が所属している長野県は、地域事業について、職能団体が取りまとめを行なっておられなかったということで、病院でそれらの事業を請け負うために、個人での活動から始めていかれたそうです。具体的には、町の総合計画策定懇話会への参加、介護保険事業策定懇話会の委員としての参加を通して、作業療法士の存在感を地域にアピールされたそうです。
それらの活動が実り、2021年には活動支援事業について、住まいの地域から100万円の予算がおり、行政との事業を個人として開始したそうです。それらの関わりから病院を巻き込み、現在では病院主体で地域事業を請け負う形が完成したそうです。また、小渕先生以外にも、希望者は「業務として」地域に出て働くことが可能だそうで、病院内に地域とのつながりや新しい仕事のスキームを作られたといった点が印象的でした。
行動力が本当にすごいなと思いましたが、一つ一つの行政の方との関わりと、利他的な精神、そして、地域に貢献したい思いが、複数の組織を動かし、新しい働き方を構築できたのだなと、とても感銘を受けました。今後は、病院の中だけの仕事ではなく、地域、街に密着したメタな療法士像が、回復期リハビリテーション病棟に勤務する療法士にも求められるかもしれません。
『社会的事業起業時に活きる病院勤務の経験』
株式会社ジョシュの永島先生
永島先生の講義では、具体的な事業の立ち上げ等に関するHow toについて、具体的なお話をいただきました。事業の開発には、マーケットインとプロダクトアウトといったスキームがあり、どちらかというと病院の経験の中では、対象者の方々や医療者が必要とするマーケットに関する情報を当事者として肌で感じられた点が現在の起業に繋がっているといったお話がありました。
また、病院におけるリハビリテーション自体が、個別性に富でいる状況で、貼ってつけた方法では対応できない、それ自体がゼロからイチを作り出す行為に似ているとのこと。それらを病院の中で時間をかけて磨けたことが社会的企業において非常にためになっているとのことでした。
永島先生からは具体的な事業の立ち上げ等に関するHow toについて、かなり詳しくご講義をいただいています。もし、このあたりにご興味がある先生方は、今からでも、アーカイブをご覧になることができますので、下記リンクよりご登録くださいませ。非常に興味深い内容でした。
以上、Day1の講義内容について、解説しました。キャリアの話というよりは、病院の中でどのように学び、それを新しい行動に繋げていくか、について先人のお話に触れられたような気がします。是非、多くの先生方に聞いていただきたいお話です。是非、下記のリンクからご登録いただけますと幸いです。次はDay2についても解説していきますので、お楽しみに。