リハキャリ2024 講義の感想と解説(6)
さて、前回はDay3 講義1 岸和田リハビリテーション病院の平山先生による「知っておきたい回復期における脳卒中リハのエビデンス」、講義2 福岡みらい病院の木村先生による「回復期リハ病棟におけるADL・IADL獲得に向けた実践アプローチ」について感想を述べさせていただきましたッ!
Day2までに比べ、Day3では一気に実践的な内容になってきましたね…
明日からの臨床にすぐに活きる、そんな印象でしたッ!
さて、本日はDay3 講義3西大和リハビリテーション病院の原先生の「回復期リハ病棟における上肢機能アプローチ」と、講義4 伊丹恒生脳神経外科病院の梶本先生の「前頭葉機能のみかた」のご紹介になります。
それでは行ってみまっしょうッ!!
「回復期リハ病棟における上肢機能アプローチ」
西大和リハビリテーション病院 原健介先生
こちらの講義では、回復期リハ病棟での上肢の病態解釈に必要な知識や評価、予後予測から作業療法介入への流れ、エビデンスも含めた具体的介入の実際、についてお話をいただきました。
講義の中でまず重要視されていたことは「カルテの情報をすべて把握し、使い尽くす」と言うことでした。特に現病歴、既往歴、生活背景から、患者さんの障がいが今回の疾患で出現したものなのか、それとも元の生活の中で構築されてきたものなのかをできるだけ、分別して考えることの重要性が述べられていました。これは伺っていて、本当に重要だと感じました(中の人は、経験年数ももうすぐ20年が見えてくるぐらいなのですが、この視点に気づくのに、10年ぐらいかかってしまいました。お恥ずかしい…)。
また、病態を考える上で、今回の脳卒中で生じた中枢性のもの、以前からあった末梢性の廃用症候群、さらには脳卒中発症後の二次的な不使用により生じた廃用症候群に可能な限り分け、それぞれに対する介入方法を思案することの重要性を述べられていました(この辺りは具体的な事例を示して、どのように考え、実施したかについて述べてくださっています。本当に、本当に参考になるので聴いてほしいです。是非、上下のリンクより #リハキャリ2024 に登録し、ご視聴くださいませ)
次に、一般的にどのような評価が上肢機能を測定するために使われているかについて紹介がありました。この点についても一般的な評価を使用していないと、仮に論文等で勉強したところで同様な数値の比較ができなければ、知識が使えない、だからこそ、評価から再考する必要性を述べられていました。さらには、評価結果の解釈から、一般的な予後予測法の紹介と使用、さらには作業療法介入におけるプログラム立案について、具体的な事例を通して紹介くださっています。
お話全般を通して、具体的な思考法に関する示唆や、具体的にどのような手法を患者さんの病態に合わせ、どのように調整するのかなど、とても参考になる点が多くあった印象でした。多くの方に是非聴いてもらいたい講義でした。