エビデンスベースドプラクティスに臨床で取り組むための具体的な方法:STEP2における様々なエビデンスのレベル(情報の正確性)について理解しよう

竹林崇先生のコラム
患者教育
リハデミー編集部
2024.04.15
リハデミー編集部
2024.04.15

<本コラムの目的>

1.エビデンスをどのように使っていくのかを学ぶ

2.エビデンスベースドプラクティスにおける5ステップを知る

3.STEP 2ができるようエビデンスのレベルを知る

1.エビデンスベースドプラクティスにおけるSTEP 2について

 エビデンスベースドプラクティス(Evidence-Based Practice[EBP])のSTEP 2は、STEP 1で形成した臨床上の疑問を解決するために必要なエビデンスに基づいた情報(論文、教科書、等)を探す作業のことを指します。

 情報を調べる際に、様々なタイプの研究があり、様々なエビデンスのレベル(情報の正確性)について理解しておくと役に立ちます。このコラムでは,1)研究の種類、について解説を行います。

2. 情報収集の対象となる研究のデザインとその特徴

 数値データや数値に変換できるデータを用いて実施する量的な臨床研究について、表2に示します。

3. 一次・二次エビデンスとは?(図1)

 EBPにおいて、取り扱うエビデンスには、一次・二次エビデンスの2種類あります。一次エビデンスとは、表2に示した個々の研究において示された結果を指します。一方、二次エビデンスは、一次エビデンスを取りまとめ、統合し、より高いレベル(高い正確性)を確保した情報のことを指します。一般的には、システマティックレビュー、メタアナリシス、スコーピングレビュー、エビデンスサマリーなどがこれらに含まれます。

 ちなみに、これらの二次エビデンスでは、フィルタリング(事前に一次エビデンスをそれぞれ評価し、正確性が高い研究を選別する)が行われるため、単発の一次情報に比べると情報の正確性がより高いと考えられています。

 したがって、EBPにおけるSTEP 1において得られた臨床疑問に対しては、まず優先的に二次エビデンスから検索を始めることが推奨されています。二次情報を調べる際には、コクラン・ライブラリー(特にCochrane Database of Systematic Reviews)やJBI EBP DatabaseなどのEBP専門情報源や、MEDLINE、PubMed、CINAHL Plus with Full Textなどの健康・医学データベースで見つけることができます。


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