一人ひとりのブラッシュアップ -後編-

一人ひとりのブラッシュアップ -後編-
リハデミー編集部
2019.02.20
リハデミー編集部
2019.02.20

理学療法士は何の専門職なのか

患者さんから見た理学療法士は身体運動機能障害を治す専門職なのです、専門職として見た理学療法士は理学療法の結果に何等責任を感じないプロ意識の欠如した職種として疑念を持ったと書かれています。

「リハビリの結果と責任」の著者が遭遇した理学療法士達は例外であったのかも知れませんが、日本医学の近代化は部分を解明することから始まった経過から身体の障害を部位の疾患として捉える傾向があり理学療法に於いても身体の障害を部位の障害として扱う傾向があります。

 

理学療法士の現状

一般に 整形外科疾患は単関節障害として扱われ、疾病に伴う障害も、肩関節の可動域制限、膝関節の筋力低下、足関節の可動域制限など部分の機能障害として認識されてきました。従って対応する理学療法も肩関節の可動域訓練、膝関節の筋力強化など単関節に対する理学療法を行ってきたが、部位の改善即ち可動域の改善、筋力の強化は必ずしも機能の改善に繋がらないことはしばしば臨床の場面では経験することです。

人間は決して肩関節だけとか膝関節単独で機能していることはないのです。足、膝、股、体幹、肩、肘などの関節はそれぞれ相互に関連して機能しているのであって、理学療法も身体全体との関連において肩関節、膝関節、足関節を考えなければ人の動作障害に対する対応は出来ないのです。

中枢神経疾患に対しても同じことが言えます、理学療法士が多く対象とする片麻痺を例にとれば麻痺肢の機能改善を最重要目的として理学療法は構成されており、麻痺肢の関節可動域保持や運動機能の獲得に多くの時間を費やしています、また動作訓練は困難な動作の繰り返しにより獲得させようとしています。

人間は立っている人が歩き、寝て、起きて、座りそして様々な動きをする動物なのです、人の基本的な形態が立位であることを概念として持たなければ人間の動作の構築は困難になるのです。身体の運動機能障害は部分の障害であると同時に身体全体の障害でもあるのです。

私の経験ですと多くの患者さん達はリハビリ=理学療法士=マッサージで理学療法士に揉んでもらって関節の動きや筋力をつけてもらい訓練は患者自身が頑張るのがリハビリテーションという意識を持っている人が多いように感じています。かかる意識を払拭するには理学療法士自身が理学療法の結果を示すしかないのでしょうか?プロとしての結果に対する責任感と対象疾病の部位から身体全体へ意識の転換が必要なのではないでしょうか?

評価→問題点を摘出→ゴールを設定→プログラムを作成→関節可動域訓練→筋力強化訓練→患者が動作訓練

プログラム作成以降「理学療法士」は何をしているのでしょうか?理学療法士は専門職といわれています。しからば何の専門職なのでしょうか?

理学療法士は医学的知識も豊富であり、障害の評価にも卓越した手技を持ち問題点を摘出、問題点解決のためのプログラム作成することが出来ますが、機能障害に対応する方法を主として機能訓練で対応しているが故、常に患者さんに努力を要求して来ました。

リハビリテーションを身体機能障害改善の医療として受け入れた社会では、理学療法士が関節の運動や筋力の強化を図り身体動作を容易にして患者自身が運動して関節の動きや動作を獲得することに何等疑問を持つ人たちが出てきています、昭和20年以降団塊の世代の意識が社会を変えてきた経過を見れば今後運動機能障害に対応する医療として理学療法は結果を要求してくるようになると考えます。

かかる時代の変化に対応するのには理学療法士が進化しなければ淘汰されると考えます。

理学療法士の業務とは何か?
理学療法士に必要な知識とは何か?
理学療法士に必要な技術とは何か?

一人一人の理学療法士が改めて明確にする事により、専門職としての知識、技術を獲得しなければ生き残れない時代がやってくるのです。今一度、理学療法士の業務とは改めて考えてみる必要があるのではないでしょうか

理学療法士は運動療法としての関節可動域訓練、筋力強化訓練、動作訓練としての起き上がり訓練、立ち上がり訓練、歩行訓練、物理療法としての電気、温熱などを担当しています、しかし理学療法士しか出来ない内容なのでしょうか、理学療法士が行う理学療法が卓越した内容をもってこそ理学療法士が専門職と言えるのではないでしょうか。

「破綻した身体運動機能を再構築する」事こそ理学療法士の主たる業務であり理学療法士として専門性を主張できる分野であると私は考えています。

理学療法士は患者さんの人生に関わる職業なのです、理学療法士の関わり方如何によって患者さんの人生が変わるのです、身体に運動機能の障害を有したが故に起こっている人として生きる事の不都合を、限りなく少なく出来る専門職としての知識と技術を獲得したならば理学療法士の未来は新たな展開の可能性が開けていくでしょう。

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