選択バイアス

バイアスリスクとは?
リハデミー編集部
2019.03.23
リハデミー編集部
2019.03.23

バイアスリスクとは?

バイアスリスクとは、研究方法の中で、アウトカムを歪める要因となりうる因子のことを指します。これから説明する各評価項目について、評価者の判断によって、高リスク(-2)、中/疑い(-1)、低リスク(0)の3段階で評価します。(論文などではよく、-2を赤、-1を黄色、0を緑で表現します)その判断は評価者の知識や経験、専門領域などの影響を受けるため、評価者によって異なる判定がされることがあります。よって、最低でも2名の評価者が独立して評価をしたのち、判定が異なる場合には、意見を調整し統一することが推奨されています。では、それぞれの項目について解説していきます。

 

選択バイアス

◇確認すべきポイント:

・対象(被験)者と介入(治療)者のマスク化(盲検化・ブラインド)がなされているか
・マスク化されていない場合は、それが結果に及ぼす影響を評価する

選択バイアスとは?

選択バイアスとは、対象を介入群と対照群に分ける際に選択の偏りによって生じるバイアスのことです。選択バイアスは大きく、以下の2つに分けられます。

・ランダム化
・割付の隠蔽(コンシールメント)

ランダム化は、対象を分ける方法が適切かを判断します。対象を分ける方法を、割り付けと言いますが、割り付けの方法に、研究者の作為的な意図が含まれると、バイアスリスクが高くなることが懸念されます。 作為的な例としては、

・誕生日順やカルテ番号順に番号をつけて、割り付ける
・くじ引きで割り付けをする

が挙げられます。割り付けの際には、乱数表やコンピュータランダム化を用いるなど、適正な手段が取られているかが重要です。

割付の隠蔽(コンシールメント)は、患者を割り付け担当者に、患者の情報についてマスク化がされているかを評価します。割り付けを行う担当者が患者の情報を知っていると、効果が出やすそうな患者を介入群に組み入れるなど、作為的な割り付けが行われる可能性があるためです。

そのため、割り付け担当者がマスク化されていない場合は、高いバイアスリスク(-2)と判断されます。また、マスク化されていた場合でも、登録センターや中央化ではなく、研究現場での割付が行われており、アウトカムに影響を与える可能性がある場合、バイアスリスクは高いと判断されます。

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